意外と盲点?友人スピーチ時のBGM

「披露宴のBGMってどうやって選曲すればよいの?」とお困りの新郎新婦のために、BGMを選曲する上でのポイントを紹介しています。

前回の記事では、2時間半の披露宴の中でも、入場や退場、乾杯やケーキ入刀などのハイライトシーンから選曲することで、それ以外のシーンは全体のトータルバランスやメリハリをつけることができる選曲方法を紹介しました。

詳しくは記事をご覧ください。

披露宴のBGMってどうやって選べばよいの?〜ハイライトシーンから考える〜

上記のハイライトシーン以外のシーンでは、次に手紙朗読や花束贈呈、その他メイン演出等があれば、そのシーンのBGMも考えていきたいところです。

ゲストをお出迎えする「迎賓」やゲストをお見送りするおひらきである「送賓」、そして歓談BGMも音量バランスとしては、館内BGMのような雰囲気になり、ハイライトシーンに比べたらゲストの皆さんの記憶には残りにくい部分のBGMではありますが、適切なBGM選びは会場の雰囲気作りを左右しますので、しっかり選曲したいところです。

このあたりのオススメポイントや選曲方法などはまた追って、このブログで紹介していきたいと思います。

このような手順で選曲していったBGM、あるいは新郎新婦のおふたりで既に使いたい曲が決まっていて、事前に記入してもらい、曲が全て埋まったBGMリスト。

これで全てのシーンで選曲が終わり!

かというと意外と盲点のシーンがあるのです。

それが「友人スピーチ」です。

友人スピーチ
友人スピーチ

全ての進行にあるわけでもなく、ちゃんとした統計データではないのですが、私が担当する両家の披露宴では、実際には「3割」くらいの披露宴で「友人スピーチ」が進行に組み込まれています。

友人からみた新郎新婦おふたりの姿というのは、親御さんにとっても、これまで一緒に過ごしてきた我が子の様子とはまた違う一面を知るきっかけになります。頼まれた方は大役を任されたと緊張されるかもしれませんが、「涙あり、笑いあり、感動あり」心温まる友人スピーチを何度も見てきたので、素敵なシーンだと思っています。

そんなご友人の想いのこもったスピーチのシーンですから、スピーチをされるご友人の緊張をほぐすためにも、また会場の雰囲気作りのためにも、何かしら音楽を選曲されることをオススメします。

雰囲気として合うのではあれば、歓談BGMのままでも良いと思いますが、おふたりのためにお話くださるご友人のためにも、感謝とおもてなしの意味をこめて、「友人スピーチ」としての選曲をしてみてはいかがでしょうか。

友人が好きな曲を知っているのであれば、それを流すというのも一つの方法です。もちろんその曲が会場の雰囲気に適した曲であるかというのは重要な問題です。

これはほんの一例ですが、以前私が直接担当したわけではありませんが、立ち会ったある披露宴で「新婦友人スピーチ」の際にビヨンセの『Crazy in Love』が選曲されていました。おそらく新婦のご友人が好きな曲だったのでしょう。

Beyoncé – Crazy In Love ft. JAY Z

友人スピーチ曲を選曲する上でポイントになるのは、お話をされるご友人がどういう方なのか。もっと言えばどういうキャラクター(性格)なのかというのも一つの選曲材料になります。

簡単に言えば、どちらかと言えばおとなしめの性格なのか、あるいは元気で活発な方なのか。

一概には言えませんが、体育会系で元気にスピーチされるようなご友人でしたら、BGMはしっとりしすぎてしまうよりかは、少し元気で明るい曲調のものが合うことが多いです。

先の例で言えば、その新婦ご友人は、明るく活発なイメージで、実際のスピーチも時折笑いもおこるエピソードなどもあり、楽しそうにおふたりの思い出についてお話しなさいました。そういう意味では、決してこの曲が合わないというわけではないのですが、スピーチ中は、この曲のもともともつインパクトもあり、どんなに音量を下げても、スピーチの内容よりも、音楽にどうしても耳がいきがちです。

「その曲が好きだから」といえばそれまでなのですが、私がこれにひと工夫を加えるのであれば、例えば司会がスピーチをされるご友人をお呼び出しするタイミングで、『Crazy In Love』を流します。大好きな曲をバックにスピーチの立ち位置までご移動いただきます。

そして話しはじめたら、少し落ち着いた曲調に変更し、ゲストのみなさまには落ち着いてスピーチを聞いてもらいます。場合によっては、スピーチが終わり新婦とご友人で写真を撮るタイミングからご自分の席までお戻りになるまで、もう一度『Crazy In Love』をお流しするということも提案できると思います。

スピーチをされるご友人のキャラクター以外には、その方の「話すスピード」も一つの判断材料になります。

ゆっくりお話される方なのか。比較的テンポよくお話をされる方なのか。

もちろん当日は緊張される方が大半ですので、普段とは違った感じになるとは思うので、そういったことも考慮に入れる必要はありますが、曲のテンポ感も話しやすい曲調が良いでしょう。

ではどういったテンポ感、曲調がスピーチに最適なのでしょうか。

ポイントとなるのは

  1. スピーチの内容が新郎新婦おふたりやゲストのみなさまの耳に届きやすい曲であること
  2. スピーチをされるご友人の緊張がほぐれ、リラックスしてお話してもらえる曲であること

これらのポイントを踏まえた上で私がいつもオススメしている曲があります。

それは広橋真紀子さんのピアノアレンジによるアルバムです。

広橋真紀子さんによる美しいピアノアレンジのリラクシングピアノシリーズは評価が高く、特に結婚式の定番曲をアレンジした『Relaxing Piano Wedding Collection』は友人スピーチでオススメのアルバムです♪

広橋真紀子 / Official Websiteよりhttps://makiko-hirohashi.com/about-makiko-hirohashi/

披露宴のBGM選曲で悩んだら是非当サイトの「BGM選曲のための楽曲データベース」をご活用ください!披露宴のシーンやアーティスト名からBGMを検索。結婚式のBGMを選曲する上でヒントになる情報を掲載しています♪

また、これまで600組以上の新郎新婦の披露宴のBGMをコーディネートした現役のブライダル音響スタッフが結婚式のBGMの選曲に関するアドバイスもブログで紹介しているので、是非ご覧ください!

実際のBGMのコーディネート例も公開しています。シーン別に選曲しても全体としてまとまりがなかったり、トータルバランスを気にされる新郎新婦も多い印象を受けます。どのような基準でプロが選曲しているか、その実例を紹介しているので是非参考にしてみてください!

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投稿者プロフィール

澤近竜佑
澤近竜佑
澤近 竜佑 / Ryosuke Sawachika
ウエディングサウンドコーディネーター / 音響オペレーター / ブライダル専門学校非常勤講師 / 作曲家
明治学院大学文学部芸術学科卒業(音楽学専攻)
音楽活動や作曲活動を経て、2015年より東京、横浜エリアを中心にホテル・ウエディングの音響担当として勤務。
2020年9月、一般社団法人ウエディングミュージックコンサルタンツ協会(wmca)主催
「ウエディングミュージックアドバイザー」の認定資格を取得。
ウエディングサウンドコーディネーターとして、これまで600組以上の披露宴のBGMをコーディネート。
2023年より、3-yui名義で結婚式のためのオリジナル著作権フリー楽曲販売サイト「3-yui sound」を運営。