ウエディングミュージック全般
ウエディングの音楽には想いを伝える力がある

ウエディングの音楽には想いを伝える力がある

1年間教えたブライダル専門学校での講師のお仕事も今月で終わり、進学する学生さんもいれば、春からウエディング・プランナーやドレスコーディネーターなど、実際にウエディングの現場に出る学生さんもいます。

ブライダルの音響・音楽という授業の中では、音(サウンド)から得られる情報が人に対してどのような心理的な効果をもたらすのかといった一般的な話から、ウエディングにおける挙式や披露宴での音楽(BGM)についてや、マイクの扱い方や音が出る仕組みなど音響に関わること、実際に披露宴の1シーンを想定してPA機器(ミキサー)を用いた実習では音楽を流すタイミングや音量調整の重要性などを学生の皆さんには体験してもらいました。

それ以外にも、クラシック音楽に関する一般教養、音楽著作権のことや、BGMの打ち合わせのロールプレイング等のコミュニケーションに特化した授業もやりました。

音響・音楽の授業をやる前は、「ウエディングプランナーに音響や音楽に関する知識は必要なのか」、「授業で何をやるのかイメージがつかない」と思っていた学生さんもたくさんいたかと思います。

しかし、授業を重ねるごとに、音や音楽のもつ効果を学生さん自身が体感してくれたように感じています。

音楽は他のウエディングのアイテムと違って、「目に見えない」という性質上、どうしても抽象的でわかりづらい印象があります。これは学生さんだけでなく、挙式や披露宴に向けてBGMの選曲をされる新郎新婦のおふたりにとっても言えることかもしれません。

音楽が好きな人はBGM選曲が楽しいけど、そうでもない人にとっては、特にこだわりがなかったり、どのように選曲したらよいのかわからず、選択地獄で悩んでしまったりなど、音楽に対する関心の有無が、そのまま実際のBGMの選曲への温度感に直結する傾向があります。

そんなウエディングにおける音楽ですが、流す音楽によって会場の雰囲気や空気感を変えることができたり、届けたい想いを伝えることができるのが音楽の効果です。実際に選曲した音楽がタイミングよく流れるだけでなく、シーンにあった音量バランスや調整が、無意識に人々の心を動かし、感動が生まれるシーンを演出できるのです。

”音楽には想いを伝える力がある”

これはウエディングに限ったことではありませんが、音響・音楽の授業を通して、学生の皆さんにそのことを伝えることができたこと、実際に体感してもらったことで、実際に現場に出た時に、そのことを少しでも役立てる日が来ることを願っています。

私自身も、来年度の授業に向けて、さらにブラッシュアップした授業をお届けできるようにしっかり準備していきたいと思います。



投稿者プロフィール

澤近竜佑
澤近竜佑
Ryosuke Sawachika
ウエディングサウンドコーディネーター / ブライダル専門学校講師 / 作曲家
明治学院大学文学部芸術学科卒業(音楽学専攻)
音楽活動や作曲活動を経て、東京、横浜エリアを中心にホテル・ウエディングの音響担当として勤務。
2020年9月、一般社団法人ウエディングミュージックコンサルタンツ協会(wmca)主催
「ウエディングミュージックアドバイザー」の認定資格を取得。
披露宴のサウンド・コーディネーターとして活動中。

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