音楽と披露宴のマリアージュ
ソムリエとは、レストランでお客様の相談・要望にのってワインを選び、サービスをする給仕人のこと。
お客様の食事がより美味しく、楽しく、そして快適になるように飲料を提案し、ワインと料理との組み合わせによって生み出された新たな風味はマリアージュ(フランス語で「結婚」)と言われます。
ワインと料理の単純な1+1=2ではなく、お互いが寄り添うことで、3にも4にもなる相乗効果が得られます。
私はワインにはそこまで詳しくないですが、その組み合わせはワインと料理の色味であったり、風味や重み、産地など多数あり、そうして生み出されたマリアージュがより快適な食事の時間へと繋がっていくと思います。
私は結婚式の音楽こそ、このマリアージュの考え方がとても大切であると思っています。
結婚式の音楽は入場やケーキ入刀シーンなど、演出としてシーンを盛り上げたり、感動させたりする音楽もあれば、
迎賓や歓談シーンなど、どちらかというと場の空気感を作り出すことに重きを置く音楽もあります。
どちらの場合にせよ、その空間にマッチした音楽がかかることで、空気感や感動の度合いというのは不思議にも何倍にも変わってくるものです。
逆に音楽が空間とマッチしていないと、その空間自体がチープに感じられてしまうほどです。
人の脳の働きとして、視覚から感じる印象に近い音楽を聴くことによって、 よりその印象が強くなるのですが、
これは視覚からの情報と聴覚からの情報の性質が一致する時に起きる「共鳴現象」が関係しています。
この共鳴こそがマリアージュであり、披露宴を構成する各要素と音楽との組み合わせを考えること、そして提案することを、この「音のソムリエ」では紹介していきたいと思います。
ちなみに「音のソムリエ」とは、私が以前、新郎新婦のおふたりと披露宴BGMの打ち合わせをしていた際に、
私がおふたりの音楽の好みやバックグラウンド、披露宴で作り上げたい雰囲気、誰に届けたい想いなのか等、ヒアリングした上でBGMを提案した際に、その提案がスムーズでピンポイントだったのでしょう。おふたりがものすごく喜ばれて、新郎から『澤近さんって「音のソムリエ」ですね』と大変嬉しい感想を言っていただいた出来事が、私のウエディングサウンドコーディネーターとしてのキャリアの中でも、最も印象深く、1つの標柱にしていることから、今回の企画のネーミングとさせていただきました。
「音のソムリエ」はこれから結婚式のBGMを選曲される新郎新婦の皆様はもちろんのこと、ウエディングプランナーやブライダル音響スタッフなど、結婚式のBGMに携わる全ての方々にとって、結婚式のBGMコーディネート方法について考える一助となればこの上ない喜びです。
ウエディングサウンドコーディネーター
澤近竜佑 (Ryosuke Sawachika)